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貧乏旅行 京都

漫画家の大嶋宏和さんが京都でTHIS TOWN展をやっている事を知ってたのだが

往復の交通費が痛い、わざわざ京都まで遊びに行っても目的が一つだけじゃ勿体ない、けど遊ぶ金もほとんどない。と貧乏特有の腰の重さで衝動を抑え込まれていた。

しかし時間が経てば当然会期は終わりへ近づくわけで、終わってからで行かなかった事を後悔し、ifルートの自分を思いはせるのはマジで嫌なので会期最終日の前々日に腰を上げ行くことにした。やっと。

 

もちろん新幹線なんぞ乗る金はないので、行きは夜行バス、帰りは電車で鈍行。

これに尽きるというかこれしか選択肢に無かった。YES YES YES

 

金を払って乗車するタイプの奴隷船に出発ギリギリの時間になんとか乗り込み、途中何度かサービスエリアで休憩をはさんで早朝6時には京都駅に到着した。初めて乗る夜行バスは薄暗くて少し汗の酸っぱい匂いがした。匂いの出所は停留所まで走って滑り込み乗車をした俺からでは無いはず、はず。きっと。

 

京都駅について真っ先に向かったのはトイレの個室で、乳首に絆創膏を貼り付けた。

というのも道中寄ったサービスエリアで用を足し、手を洗って出ようとした際に出口の姿見に目をやると、tシャツから勃っても無いてぃくびが透けていたからだ。

左右違う銘柄の絆創膏貼って乳首をなだめた後はマラソンランナーの風を全身にまといトイレを後にし、目的地へ歩き始めた。これが旅の始まりである。

 

 

今回の旅行において唯一の目的である展示会。の会場、ホホホ座浄土寺店はもちろんまだ空いてる訳がないし、現在時刻から開店まで5時間もあり、京都駅から6キロほど離れているので店を目指しながら散歩をはじめた。

日曜とはいえ朝の街に人がごった返すなんて事はなく、車もろくに通らないものだから中学校の修学旅行ぶりに降り立ったその場所で信号無視の車道横断を決行した。

左右を目視で確認した末の犯行が故にスリルはさほど感じなかったが、地面に塗られた直線たちに添わずにまたいで歩くのはそこそこ爽快だった。

 

酔っ払った友達に左右で肩を貸す青年3人組や、欄干に黄色い自転車を立てかけて写真を撮るおじさん、地下鉄の駅前でたむろする女の子たち。途中、四畳半神話体系にもでてくるあの木屋町通りにも足を運んでみたが、占いの老婆に導かれることはなかった。

 

三条大橋を渡り、三条通りを蹴上駅へ向かい、これまた四畳半神話体系でもでた蹴上インクラインを

右手に通り過ぎ白川通りをひたすら北へすすんだ。空は晴れているが気温は低く、tシャツにロングパンツで歩いていてもあまり汗をかかず気持ちが良かった。

7時半にワールドコーヒーにて老夫婦やマダムたちにまぎれてモーニングを食べ、ホールスタッフの忙しい会話を聞き流しながらコーヒーをしばいた。ここでダラダラ時間を潰してやろうと思っていたけど、以外に客の回転が早く店の前で椅子に座って待っている人までいたので、諦めて店を後にした。

この時点で8時半、まだまだ時間はあるので次は山にでも登ることにした。タダなので。

 

つづく